現代平和論(2021年度後期)のレポート課題

15回の授業のうち8回を担当、この間に6本のレポートを書いてもらった。配点は60点)

藤岡第1(正体)レポート 10月4日―10月11日(月)深夜12時まで

以下の3問から2問を選んで、答えてください。
1) 立命館大学国際平和ミュージアムをハブにして昨年9月に、「第10回目の平和のためのミュージアム・国際会議」が開かれ、100を超えるデジタル作品が展示されました。非暴力にもとづく市民的不服従の観点からBLM(Black Lives Matter)運動を描いた作品(Faith in Our Future 7:52  https://sites.google.com/view/inmp-2020/video-02-faith-in-our-future-black-lives-matter-from-young-pr )を視聴し、以下の問いに答えてください。
① BLMとは何ですか。昨年来、同様の非暴力に立脚した市民的不服従運動が世界中で盛り上がったのはなぜですか。
② 「人種差別」、「奴隷制度」、「植民地支配」を過去にさかのぼって非難し、その謝罪や補償を訴えた国連の「ダーバン宣言」が2001年9月に採択されました。「ダーバン宣言」とは何で、その後20年間、どのような役割を果たしてきたのですか。

2) 原爆投下50周年をきっかけに、立命とアメリカン大学との間で始まった「日米を結ぶ原爆を学ぶ旅」は、2017年夏をもって休止しました。「向日葵とアンパンマンーー23年目のゴールイン」(http://eco-economy.ever.jp/wp/ 所収)を読み、もっとも注目したエピソードを1つ紹介してください。

3) 『私と世界とあっちゃん先生』(HPの「11.わが人生、わが郷土の歴史」所収)を読み、「藤岡の正体」を調べ、感じたことを述べてください。

 字数、形式とも自由。提出期間は、10月4日―10月11日(月)深夜11時59分59秒まで。やむを得ない事情があるばあい、12月末まで提出を認めますが、遅延の事情を書いてください。一定の減点あり。

藤岡第2(「イノチの幸せ」)レポート 10月27日―10月31日の深夜12時まで

 以下の問いの大部分にたいする藤岡の見解は、「帰りなん、いざ豊穣の大地と海へ」(藤岡HPの「藤岡の論文を読んでみませんか」の冒頭の文献)のなかに収録されています。私の見解の弱点を指摘しつつ、あなた自身の見解を展開してください。完成レポートだけを提出してください。

Ⅰ.必答問題
(1)①イノチとは何ですか。あなたの意識(脳)がイノチを持っているのですか。それとも地球で30億余年引き継がれてきたイノチが今、あなたを生き、心身を自然体に発達させ、ある段階で自我意識を生み出してくれたのですか。 ②自我が発達してくると、イノチをある程度「財産」のように管理できるようになります。そのばあい、イノチはあなたの私有財産ですか。それとも一定期間管理を託された信託財産のようなものですか。後者のばあい、誰から何のために信託されたのでしょうか。
 
(2)2百万年前の石器革命とともに、母系大家族と狩猟・採集にもとづく生活が始まり、「自然」からの「社会」の分離=枝分れが始まったとされます。その後、20万年前のホモ・サピエンスの出現とともに、「社会」はついに50名の壁を突破し、5万年前の「言語・認知革命」の下、「社会」形成の心棒たる「文化」が生み出され、「社会」は250名の規模を超えて拡大したとされます。1万年ほど前には社会から「政治」が分離し、数万人規模の社会が生まれ、戦争、国家・帝国が生み出され、4千年前頃からは都市・商人・市場「経済」が社会から分離するに至ったとされます。そもそも自然、社会、政治、経済、文化とは何であり、相互にどのような位置関係に立つのですか。藤岡見解(「帰りなん、いざ・・・」 8-12ページ)や「唯物史観から生命史観へ」を読解しつつ、あなたの見解を展開してください。

(3)「幸せ」とは何ですか。藤岡見解の不十分な点を指摘しつつ、あなたの見解を展開してください。  

Ⅱ.選択問題
以下の7問から5問を選んで答えてください。
(1)①真(真理)を追究する学問、②善(正義)を追求する宗教・倫理、③美(高貴さ)を追求する芸術は、文化活動の3大領域だとされます。それぞれ何であり、どんな位置関係に立っているのですか。「美しい人生」とは、どんな生き方のことなのでしょうか。具体例をあげて説明してださい。

(2)「こころ」とは何ですか。どこにあるのですか。「自分探し」に熱中したあげく、「心理主義」の罠に落ち込み、挫折する若者が増えていると聞きます。「心理主義」の罠からわが身を解放するにはどうしたらよいのでしょうか。

(3)①「エコノミー」(経済)と「エコロジー」(生態系)は、ともに「オイコス」(棲家)というラテン語から生まれた派生語です。「エコノミー」と「エコロジー」とは、どんな関係に立っているのですか。ジャイナ教修道僧であったサティシュ・クマールさんの説明が簡潔で、参考になると思います。検索してください。   https://www.youtube.com/watch?v=1xWczP0jhuI

(4) 草場一寿さんの『毎日がイノチの祭』によると、①沖縄の晴明際の墓参では、子宮に模した亀甲墓のなかに一族が集まり、どんちゃん騒ぎをすることが先祖供養となるとされています。それはなぜですか。②食前に「あなたのイノチをいただきます」と唱える人は多いのですが、沖縄では、「私の指をいただきます」と認識している人が多いといいます。それはなぜですか。

(5)①肥沃な土壌のばあい、1グラムの土のなかに何匹の微生物が生きており、乾いた砂漠のなかではどうですか。②団粒構造を成し、自力で発酵・発熱するような肥沃で免疫力の高い土壌を作るにはどうしたらよいのでしょうか(藤岡見解は、「帰りなん」論文の補説「地球とミミズと経済学」参照)。③人体のなかに発酵・発熱するような肥沃で美しい大腸フローラを創りあげ、免疫力を向上させ、ヒトを健康にするには、どうすればよいでしょうか。④相互に発酵・創発しあう、健康な人間関係(=平和)を作り出すためには、どうすればよいでしょうか。「パーマカルチャー」や「アグロエコロジー」の運動にも触れて、考えてください(参考文献:桐村里紗『腸と森の「土」を育てる――微生物が健康にする人と環境』、光文社新書)

(6) ヒトが大人になるとはどういうことですか。「自己中心」の「生存欲求」の段階を超えて、「小我」を「大我」へと成長させ、宮沢賢治、聖フランチェスコ、M.Kガンジーのような「自己超越段階」の「宇宙市民」に発達していくにはどうしたらよいのでしょうか。「平和の経済学」論文37ページの図表も参照してください。

(7)朝日新聞社主催の「世界報道写真展2021年」が、10月11日(月)から10月15日(金)の間の9:30-16:30(入館は16:00まで)にBKCのエポックホールで行われました。これを見学し、もっとも衝撃をうけた写真(シリーズものを含む)を1つ取り上げ、その写真が撮られた背景を解明しつつ、衝撃を受けた理由、他の受講生にアピールしたいことをまとめてください。
レポートは、10月27日―10月31日の深夜12時までにマナバの「藤岡第2レポート」の部屋に提出してください。なおやむを得ない事情があるばあい、11月2日までの遅延提出を認めますが、遅れに応じて減点します。

藤岡第3レポート(対話Aレポート) 11月3日―11月6日の深夜12時まで

他の受講生が作成した藤岡第2レポートを読み、もっとも心を揺さぶられた注目作を3点選びだし、その作品の末尾にある「コメント」ボタンをクリックし、どの箇所からどのように揺さぶられたのかを書き込んでください。
 その後、あなたの書き込んだ3点のコメントをコピーし、誰に対するコメントであるかを明記し、提出してください。 字数は自由。 配点は3点。 なお自己の作品にコメントを寄せられた受講生は、当該コメント欄の末尾のボタンをクリックし、コメントへの返信を発してください。受講生コミュニティ内の「創造的対話(正ー反―合)の弁証法」の醍醐味を享受されることを期待します。11月3日―11月6日の深夜12時まで。遅延は11月8日まで認めますが、遅延の程度に応じて減点します。

藤岡第4(戦争の真実)レポート 12月31日深夜12時まで

以下の7問から6問を選び、答えてください。

(1)1937年12月の「南京事件」について調べてください。経緯を説明しますと、同年7月に上海で日中両軍が衝突しました。日本軍は、上海での中華民国(蒋介石)軍の数ケ月におよぶ抵抗に難渋した後、同国の首都南京を攻略すべく西進し、12月13日に南京城内に侵攻しました。一方には、日本側の兵站の不足から多数の中国兵捕虜が戦時国際法に反して殺されたとか、便衣兵との疑いで、中国軍支持の民衆が殺害・強姦されたという主張があり、他方「南京大虐殺は幻だった」という主張もあります。
1937年12月16日・17日の捕虜の処分問題の解明を試みた「NNNドキュメント・南京事件Ⅱ」(https://www.youtube.com/watch?v=yrLPTGCXPr0 )を閲覧したうえで、この事件の真相について調べてください。なお事件の論争史については、https://seesaawiki.jp/w/nankingfaq/   時代背景については、東海大学教養部の鳥飼行博研究室のHP(南京虐殺) http://torikai.starfree.jp/1937/nanjin.html が参考となるでしょう(残虐な写真・映像ありますので、注意してください)。

(2)①15年戦争中(1931年―45年)に日本軍兵士用の性的「慰安施設」は、アジア各地のどこに、何か所ほど存在し、「日本軍慰安婦」の総数は、何名ほどだったのでしょうか。最近公表された「慰安所マップ」(http://fightforjustice.info/ )が一つの素材となるでしょう。 ②「日本軍慰安婦」の性格をめぐって2つの見解が対立しています。彼女たちの調達方法、人道に反する苦役、現地での監禁の程度といった点で比較した場合、他国でもよく見られた兵士相手の売春婦と同質の存在であり、日本軍側には非がなかったという主張があります。他方、他国と異なり、慰安婦施設の設営・管理に日本の軍部が関与しており、敵国人収容所から連行してきた女性だけでなく、虚言・甘言で連れてこられた女性の間にも、行動の自由を制限され、「性奴隷」の境遇に陥った者が相当数いたという見解もあります。 どちらの見解が正しいのでしょうか。当事者となった女性たちの証言を聴き、その真実度を判断しつつ答えてください。https://sites.google.com/view/inmp-2020/p59-virtual-tour-of-wam も参考になるでしょう。

(3)以下の2問から一つを選択してください。
①「無色・無償・無名」を掲げる「戦場体験放映保存の会」では、11月13日、14日、12月4日、5日、12月11日の午後の1時間半、「戦場体験者と出会えるウエッブ茶話会」を開きます。参加無料。要予約。茶話会翌日以降は、申し込みページからの映像視聴も可能。「ウエッブ茶話会」のいずれかに参加し、その体験をレポートしてください。参加予約は、戦場体験史料館 jvvap.jp  ②「NHK戦争証言アーカイブス」https://www.nhk.or.jp/archives/shogenarchives/ 、戦場体験放映保存の会の「戦場体験史料館・電子版」www.jvvap.jp/ 、Bridge for Peace の「元日本兵へのインタビュー&交流の公式ブログ」http://blog.bridgeforpeace.jp/?cid=21239 を訪問し、もっとも衝撃をうけた戦場・戦争体験を1つ選び、衝撃を受けた理由を説明してください。

(4)①トルーマン政権は何のために、異なるタイプの原爆2発を中2日の間隔で投下したのですか。②日本をポツダム宣言受諾に追い込んだ決定的要因は、原爆の投下、ソ連軍の満州への侵攻に伴う日本軍の総崩れ、天皇制の条件付き存置の暗黙保証のうち、どれですか。③原爆投下の責任は誰が、どのような形でとるべきなのでしょうか。藤岡惇「原爆投下と敗戦の真実――米国の『アメとムチ』作戦の全貌』(藤岡のHPにあり)を批判的に読解し、あなたの見解を展開してください。

(5)①1995年6月に衆議院で可決された「戦後50年国会決議」では、「日本帝国による植民地支配と侵略的行為」の反省が初めて明記され、直後に閣議了解を得て発表された「村山首相談話」では、「植民地支配と侵略によって、多くの国々、とりわけアジア諸国の人々に対して多大の損害と苦痛を与えました。・・・改めて痛切な反省の意を表し、心からのお詫びの気持ちを表明します」と述べられました。この動きに反発した安倍晋三議員たちは、「先の大戦は『自存自衛』『アジアの平和と解放』のための戦争」であり、「韓国などの併合も正当な行為だった」として、激しく抵抗し、2008年に政権を掌握するに至りました。今日の時点から見た場合、どちらの立場が正しかったのでしょうか。
②1928年の不戦条約を画期として、世界が大きく変わったというオーナ・ハサウェイ他『逆転の大戦争史』の主張については、どう評価したらよいのでしょうか。

(6) ①「戦争捕虜」(POW) と戦犯(War Criminal)とは何が違いますか。連合国が東京の地で日本人A級戦犯を裁いた「極東国際軍事裁判」の意義と弱点はいかなるものでしたか。
②遼寧省撫順の戦犯管理所に囚われていた982名の日本軍戦犯の場合、人道的取り扱いを受けたこともあり、全員が「真相」を告白・悔悟し、帰国したという事例があります。このような「撫順の奇蹟」はなぜ起き、南アフリカや韓国での「真実・和解委員会」や世界各地の「修復的司法」の実践に、どのような影響を与えたのでしょうか。
③仮に「東京法廷」でも撫順方式が採用され、罪責を認め、真に悔悟した戦犯が、体験学習の講師を勤めることを条件に赦免され、津々浦々の学校を行脚するようになったならば、戦後の日本はどう変わったのでしょうか。
中帰連会館ミュージアム https://sites.google.com/view/inmp-2020/p03-chukiren-peace-museum および野津報告 https://sites.google.com/view/inmp-2020/p27-the-significance-of-fieldwork-at-the-sites-of-harm-during-the-war-of-ag が参考となると思います。

(7)INMP2020では、110のデジタル作品が展示されています(https://sites.google.com/view/inmp-2020/home)。「世界の平和博物館2020」(英語・日本語双方の電子版、https://sites.google.com/view/inmp-2020/museums-for-peace-worldwide )に掲載された301の施設(うち84施設は日本内)にアクセスすることもできます。これらのなかで、もっとも心を動かされた作品や施設を日本から1つ、外国から1つ選び、他の受講生に説明してあげてください。
日本語でも理解しやすい作品群としては、立命館大学国際平和ミュージアム、第5福竜丸ミュージアム https://sites.google.com/view/inmp-2020/p39-daigo-fukuryu-maru-exhibition-hall-the-voyage-for-the-nuclear-free-fu 、ホロコースト教育資料センター https://sites.google.com/view/inmp-2020/p84-learning-about-and-from-the-holocaust-in-japan 、沖縄不屈館 https://sites.google.com/view/inmp-2020/p85-fukutsukan-kamejiro-senaga-and-the-peoples-history-museum などがありますが、できるだけ自らの眼力で好みの作品・施設を選んでください。 

藤岡第5(対話―B)レポート

 他の受講生が作成した藤岡第4レポートを読み、もっとも強く心を揺さぶられた注目作を3点選び、その作品の末尾にある「コメント」ボタンをクリックし、どの箇所からどのように揺さぶられたのかを書き込んでください。
 その後、あなたの書き込んだ3点のコメントをコピーし、誰に対するコメントであるかを明記し、提出してください。  
 なおコメントをもらった人は、当該コメント欄末尾のボタンをクリックし、コメントしてくれた人に返信してください。受講生コミュニティの「創造的対話(正ー反―合)の弁証法」が始まることを期待します。 配点は3点。

藤岡第6(未来)レポート(2月6日から2月9日深夜12時まで)

以下の9問から7問を選んで、答えてください。

1) 気候危機を解決し、生物界の平和な循環とヒトの健康を促進するには、土壌の微生物界の「醗酵」を促進し、土壌内、大腸内の微生物・炭素の比率を高めることが、カギだとされています。何をなしたらよいのかを探究し、成果を交流しあってください。

2)1940年代―70年代末の外政面では「国連など社会的パワーによる規制下の帝国主義」が登場した時代、内政面では「修正資本主義=福祉国家」が登場した時代には、世界的に資産格差が大きく縮小し、消費市場が拡大し、高度成長の時代となりました。
  ①それはなぜですか。②80年代の新自由主義(脱規制)時代になると、資産格差が拡大するようになりました。このような格差は、どのような仕組みで生まれてきたのですか。 ③格差社会は、デフレを激しくし、コミュニティを引き裂き、戦争を起こしやすくするという人がいます。その主張は正しいですか。藤岡HPの「論文を読みませんか」の2の最初の論文が、参考になると思います。

3)2003年3月、「国連憲章の禁じる先制攻撃を止めよ」との国連参加国多数の反対を押し切り、米国のブッシュ政権は国際軍事法の規制を弱め、イラクの政権を転覆するための戦争を開始し、中東戦争に突入しました。それはなぜですか。アフガン戦争以来の21年の歴史から何を学び、教訓とすべきかについて、論じてください。

4)事故に強いとされるSMR(小型モジュール原子炉)など、「気候危機」対策のため新型原発の開発が必要との声があります。他方、軍事攻撃への耐性が十分ではないという声もあります。たとえば多数のドローン兵器の襲来、ミサイルの直撃といった攻撃をうけたばあい、現下の日本の原発には、どの程度の耐性があるのでしょうか。福島原発1-4号炉のケースを素材として、調べてください。この種の事件の発生を防ぐには、どうすれば良いのでしょうか(HPの2の最後の論文が、なにほどか参考になると思います)。

5)①今日の標準型の核兵器である「ブースト型原爆=核弾頭」とは、古典的な原爆・水爆と何が異なっているのでしょうか。②極超音速ミサイルに搭載された1メガトンの核弾頭が東京上空200キロの宇宙空間で爆発したとします。どのような結果が生まれますか。過去の経験(たとえば1958年のアーガス作戦Operation Argus)を調べて、予想を立ててください。

6)①いま日本では、「敵基地攻撃の能力」を持つべしという意見が台頭しています。それはなぜですか。②「極超音速ミサイル」や「衛星ミサイル」の出現を前提にしたばあい、宇宙核戦争に完勝する態勢をつくることで「核抑止力」を再建できる可能性はどの程度ありますか。③核兵器、核戦略をめぐる3つの立場(核のタカ派、ハト派、廃絶派)のなかのどの立場が最も合理的だと考えますか。

7)「軍事同盟=集団的自衛権」システムが2度の世界大戦を生み出し、広げる元凶となった経験をもとに、①加盟国を固定的な敵・味方に分けない不偏不党、②ある国が不法行為を行った場合、他の全ての国が、その行為を制止する行動をとる、という「集団的安全保障」の考え方が生まれ、この考えを土台にして、国連は結成されました。①集団的自衛権と集団的安全保障とは、何が異なり、平和創出のためにはどちらが優れているのでしょうか。
 集団的安全保障のしくみに地域レベルで接近しようと、東南アジア諸国連合(アセアン)は、TAC(東南アジア友好協力条約)という地域内紛争の平和処理のしくみや「東アジアサミット」の開催といった平和構築のしくみを幾重にも構築し、中国と米国の覇権争いに巻き込まれない第3極の形成をめざしています。 ②アセアンの試みは、どのような経験と成果を生み出しましたか。③東南アジアのシステムを北東アジアに広げ、米中間の覇権争いの暴走を防ぐ第3極を東アジア全域に築くことは可能でしょうか。東アジアの平和を築くためのアイデアを探り、交流してください。

8)①多様な変異種を生み出しつつ広がり続ける「コロナ疫病危機」はなぜ生まれたのですか。どのように対処すればよいのでしょうか。
 ②ポストコロナを見据え、気候危機、格差拡大を克服し、地域共同体を再建する道を考えてください。広井良典「AIは『新型コロナ禍の悪夢』を予言したのか」、「コロナが露わにしたビッグ・データという幻想」(教材にあり)を批判的に読み、広井の論理を超克する形で展開してください。

9)「コロナ型疫病」の出現から2年余がたちました。他者を道連れにした自殺願望など、底知れぬ「不安」が広がっています。他方、学生・若者に対するフードバンクなど、生活支援の動きも活発になっています。この時代において、あなたが一番痛切に感じている「矛盾」とは何ですか。コロナ禍の試練と苦闘のなかで探りあてた「人生のテーマ」について、論じてください。

 2月6日から2月9日の23時59分までにマナバに提出してください。締め切り期限を過ぎると提出できなくなります。字数などは自由。

藤岡関係の配点の方針
  藤岡第1レポート  9点     第2レポート 15点
     第3レポート 3点     第4レポート 15点
     第5レポート 3点     第6レポート 15点     小計 60点
 
採点結果 (中野講師関係の3本のレポートの採点結果と合わせて、藤岡が集計)
 Aプラス   54名
 A      73名
 B      48名
 C      39名
 F      64名
  総計   278名