藤岡惇の論文を読んでみませんか

12の領域にわけて、参考になりそうな論文をピックアップし、並べました。とくにお勧めしたい論文は、太字で示しています。

1.エコ社会経済学って何?―――入門のすすめ

 経済の母体は社会、社会の母体は自然です。市場内のマネーの動きを歴史的な広い視野に立ってとらえ直し、1万年前の農耕・牧畜革命以降の自然征服文明と資本主義経済の未来を考えてみましょう。 人体の健康と社会関係の健康(=平和)をどう創りだしたらよいかという問いを胸にいだいて・・・・

◆帰りなん、いざ豊穣の大地と海へーー平和なエコ・エコノミーの創造・再論(2016年9月)pdf

◆平和の経済学――くずれぬ平和を支える社会経済システムの探求(2005年10月)pdf

◆学んでほしい経済良識・11のエッセンス―社会の『良き船長』になるために (2007年11月) pdf

「唯物論的アニミズム」の世界観の構築(2005年11月)

◆「ソ連の本質は『国家産業主義』だった」(2012年4月)pdf

◆「デンマークに学ぶ非暴力的な社会変革の道」(2014年3月)pdf


2.日本の経済社会はどこへ行く

 旧ソ連の社会を「(共産)党有型の国家産業主義体制」と私は命名しています。この枠組みから脱皮できずに、ソ連は解体していきました。その結果、ケインズ主義的な「修正資本主義」のしくみを維持する必要性も衰え、「新自由主義的な改革」が進みました。資本主義経済は19世紀的な「むき出し資本主義」の時代に逆戻りする様相を深め、貧富の格差が広がるようになります。情報・通信技術革命が進む中で、グローバル資本主義、金融資本主義が支配するようになり、新しい矛盾が生まれてきます。日本では、この矛盾が長期のデフレ不況、原発危機として生まれてきた様相を私は描いてきました。

◆現下の世界恐慌をどうとらえるかーーいったん起こると「底が抜ける」理由と克服策を探る(2011年3月)pdf

21世紀の世界を拓く日本の道―改憲に反対する6つの理由」(2007年10月)

◆福島で進行中の核の大惨事をどう見るか―「双頭の天龍」を地球生命圏に降下させた危険を見据えよう(【経済科学通】126号、2011年9月)

Understanding the Ongoing Nuclear Disaster in Fukushima(2011年9月)

◆軍事攻撃されると原発はどうなるか(2013年1月)

◆「戦争ができる国」づくりとフクシマ―原発が軍事攻撃されるとどうなるか(2013年3月)


3.原爆投下の真実を考える

 1995年は原爆投下50周年でした。この年、アメリカン大学を卒業した直野章子さんが「日米を結ぶ核問題探究の旅」を企画・実施しました。立命館の学生とともに、この旅に協力したことがきっかけとなり、アメリカン大学の歴史家のピーター・カズニックさんとペアを組んで、「日米の学生を結ぶ京都・広島・長崎の旅」のプログラムを23年間続けることとなりました。旅のなかで「原爆投下と敗戦の真実」や平和学習のありかたについて、色々と考えさせられました。私の思索の跡をシェアしたいと思います。

「原爆投下と敗戦の真実」(2016年9月) pdf

◆『核の時代』の真実に迫る-オリバー・ストーンが語る『もう一つのアメリカ史』の魅力(2014年5月)

◆「日米交流で原爆を探究する旅 20年の歩み」(2015年3月)pdf

◆『向日葵とアンパンマン―日米を結ぶ原爆探求の旅・23年目のゴールイン』(2018年3月)pdf


4.アメリカ経済と軍事の関係を考える

 私の研究は、アメリカ南部の黒人史から始まります。草の根の民衆の幸せを実現する方途を探るという目的で、南部の貧しい農村部を調査してきました。その後視点を天空に移し、宇宙支配を基盤とする軍事革命と軍産複合体の研究に転じました。新型戦争のコストと便益とは、いまだ十分な検証ができていません。そのためコストが膨張してもチェックが難しく、軍産複合体の絶好の活動空間となっています。

◆「軍事経済から平和経済へ」(2009年4月)  君島東彦編『平和学を学ぶ人のために』収録

◆米国の核爆弾産業はいかに構築されたか(1998年10月)pdf

◆アメリカ原子力産業の形成(1996年10月)pdf

◆アメリカ原子力発電産業の現段階(1997年2月)pdf

◆核冷戦は米国地域経済をどう変えたか(1996年12月)pdf


5.冷戦後の新軍事革命と「ミサイル防衛」

 1990年代に入ると、核戦争の相手が消え、敵対勢力が見えなくなるという意味で、米国の軍産複合体にとって「冬の時期」が来ます。難局を打開するため、核兵器をもたぬ敵であれば、「どんな敵でも、安いコストで完勝する」という新目標を掲げて、軍産複合体は「新軍事革命」を推進しました。冷戦時の核戦争システムの遺産である宇宙支配、ネットワーク、精密誘導の技術を結び付けるならば、圧倒的な軍事力を生みだせ、米国は不敗となると宣伝したのです。敵の非核ミサイルを撃墜する盾が「ミサイル防衛」でした。「敵探し」が続き、2001年9月11日に待望の事件が起こります。

◆米国の軍民統合戦略と経済覇権の回復 (『立命館経済学』48-5.2000年3月)pdf

◇「修正帝国主義から新帝国主義へ――宇宙から地球戦争を始めたブッシュ新戦略の意味」(『経済理論』41-3、2004年10月)pdf  

◆米国の宇宙と核の覇権と軍産複合体――『宇宙の軍事的占領』めざすブッシュ政権の深層(2006年3月)pdf

◆ミサイル防衛と宇宙の軍事化を考える(2007年3月)

◆宇宙基本法の狙いと問題点(『世界』岩波書店、2008年7月号)


6. イラク中東戦争はなぜ引き起こされ、何をもたらしたか

 宇宙をベースとする新型戦争システムを用いると、中東の石油資源国の制圧は容易だし、米国による世界支配は安定すると夢想した人たちがいました。「ネオコン」と呼ばれた人たちです。当時の権力者たちは、なぜ戦争を起こしたのか。その結果、彼らの予想に反して、「地獄への門」を開くことになったのかを究明します。

◆映画『華氏911』とアメリカの大統領選挙(『シネフロント』329号、2004年10月)

◆ブッシュ再選が示すもの――米国の大統領選挙結果を考える(『立命館経済学』53-5・6号、2005年3月)

◆ ブッシュの8年間をどうみるか――新帝国主義へのUターンがもたらした諸矛盾(『立命館経済学』、2008年11月) pdf


7. 「核ミサイル防衛」の復活と日本の命運

 ネオコンの起こした戦争は失敗に終わり、中国・ロシアを相手にした宇宙規模の核軍拡競争を招く結果になりました。もし新型の核戦争が天空で起こったならば、地上電力網の全系崩壊がおこるでしょう。「核の冬」ならぬ「核の闇」(ニュークリア・ブラックアウト)です。 原発の炎上と連動すれば、文明崩壊の恐れさえあります。 この状況下で、落日の「米帝国」の求めに応じて、日米軍事一体化を進めていけば、どうなるのか。中国・ロシア・イラン・北朝鮮の強硬な姿勢にたいしては、どう対応したらよいのかを考えます。

米国が実践した新軍事革命の影響ーイラク・中東戦争と朝鮮半島のゆくえ(「経済理論」55-3、2018年10月

◇「陸上イージスは核ミサイルを撃墜できるのか」(『アジェンダーー未来への提言』2018年春号)pdf

ミサイル防衛の幻想と危険(日本平和学会編『平和研究』48号2018年3月)

◇亡国の陸上イージス(「経済」2018年12月号)

◇米国「ミサイル防衛見直し」の衝撃(「経済」2019年4月号)


8.世界の社会運動探訪の旅

 紛争がおこっても平和的な手法で解決できるしくみや経験を人類は蓄えてきました。現状の危機を、どうすれば戦争や暴力的争乱なしに、弁証法的な認識変化を生み出すことで打開できるのか。自然順応型の心身を鍛え、自然順応型の文明に移っていくための方策を求めて、現地調査してきた成果を公開します。

◆「平和を開発する力を求めてーー軍隊のない国コスタリカ紀行」 (2000年3月) pdf

◆ワシントンで見た反グローバリズム市民運動高揚の秘密 (『経済』2000年7月号)

◆ムンバイで元気をもらった――第四回世界社会フォーラムの場で考えたこと (『経済』2004年4月号)

◆ポルトアレグレはダボスを変えつつある――第5回世界社会フォーラムに参加して(『経済』2005年6月号)

◆バンクーバーの世界平和フォーラムに参加して(『もうひとつの世界へ』4号、2006年8月号)


9.主権者を育てる大学での教育実践

 「学ぶ主体」を育てるために、様々な試みを行い、経済学教育学会(現在は経済教育学会)の場などで交流してきました。経済教育、平和教育、ゼミナール活動、地元学の領域での私の実践を公開します。

◇学部間の壁を下げようーー全学共通教養教育の推進と経済学教育 (『大学創造』12号、2002年)

◆立命館大学における「平和学系の教養科目」28年の歩み ―1984年から2011年まで(2012年4月)

◆先輩が後輩を導く相互学習のしくみ ――立命館大学の「オリター制度」の経験(2002年5月)

◆ボランティア・ワークのおかげで活気づいた近江草津論(2009年3月)

2011年度アメリカ経済論のレポート課題とまとめ

2013年度前期 平和の経済学のレポート・クイズ課題一覧

2018年度の平和学入門のレポート課題


10.庶民に支えてもらえる研究がしたい
ーー若き日々の模索

 勤労者の当事者研究を支援し、主権者への成長を支えるという理念をもつ研究組織として、51年前に基礎経済科学研究所(基礎研)が誕生。半専従スタッフ、機関誌の「経済科学通信」(以下『通信』と略)編集局長や理事長を歴任してきました。基礎研・自由大学院の「エコロジカルな人間発達を考えるゼミ」を43年前から主宰し、開催回数は700回を数えます。 『通信』に掲載してきた若き日々の習作を、掲載します。

◇地主的土地清掃と南部経済の変貌過程――現代アメリカ資本主義分析の一視角(『通信』18号、1977年4月)

◇巨大工場の職場と民主主義――最近のルポ・報告書の分析(『通信』31号、1981年5月)

◇民衆発達の経済史を求めて(『通信』39号、1983年6月)

◇アメリカでみた民衆参加の研究運動(『通信』63号、1990年6月)

◇国家に依存した日本型企業社会を解体する2つの道(『通信』91号、1999年12月)

◇エゴからエコへーー「自己」の拡張と人間の発達(『通信』93号、2000年8月)

◇「人間発達の経済学」をどう発展させるかーー唯物論的アニミズム(=弁証法)の世界観のうえで(『通信』110号、2006年6月)


11.わが人生、わが郷土の歴史

◇私と世界とアッチャン先生

藤岡惇退職記念文集として文理閣より自費出版として刊行されました。ページ数は282、pdf形式です。
第一部「21世紀のコペル君との育ちあいの人生 ―私はどう生きてきたか」(p.12~p.63)
第二部「私と世界とアッちゃん先生 ―107人の藤岡惇・論」(p.66~p.270)

◇森岡孝二さんと歩いた43年(2019年2月)

◇和して同ぜずーー追悼 尾崎芳治先生(2018年5月)

◇「虹の子クラブ」の将来像を考える(30周年記念誌所収、2012年3月)(pdf)

◇『京都西陣・妙覚寺界隈の歴史探訪』 (近日公開予定)


12.書評・エッセイなど

◇万人坑と贖罪の未来(2018年11月)

◇学生が真の大人=主権者に育つ時(2018年1月)

◇【書評】渡辺治ほか『平和の構想』(2017年3月)

◇【書評】上杉忍『公民権運動への道ーアメリカ南部農村における黒人のたたかい』(1999年6月、『西洋史学』193号)